【番外編】東京おでんラブストーリー潜入ルポ〜2回目裏〜

こちらの記事を読んだ私の友人(from関西)が↓

「出張で東京行くから、ここ一緒に行きたい!」と言ってきた。

 

4月某日。

場所は前回と同じ裏コリドー店。

 

金曜の夜ということもあり、新橋の街自体が前回とは比にならないほど賑わっていた。

東京おでんラブストーリーの入口を覗くと、4卓揃ってほぼ満席。

私たちが入店したすぐ後には、入店待ちの列ができていた。

 

「こちらへどうぞ!」

 

前回同様、威勢の良い店員に席を指定される。

 

右手にはアラフィフと思しきおじさん2名、左手にはアラサー女性2名。

向かいにはなぜかカップルが2組いて、どちらもお互い敬語で話している。

 

え、まだ付き合ってないの!?

アポなの!?

アポでここ選ぶのミスってるよ!?

 

心の中でツッコミを入れつつ、私たちはおでんをツンツンした(トングで)。

 

飲み始めるとすぐ、右手の白髪アラフィフおじさんが話しかけてきた。

 

おじ①「お姉さんたち、一緒に飲まない?」

おじ②「せっかくこういう店だし…ねぇ?」

 

き…きつい…

前回も書いたが、ここは一度座ったら最後。

席の移動ができない。

何人かでわいわい話すなら良いが、このまま2対2でいけば我々は無料ホステスと化してしまう。

 

すまん!無理!

この1杯飲み終わったら出よう!

 

というメッセージを、アイコンタクトだけで友人に伝えようと目をひん剥いたその時、左手の女性に話しかけられた。

 

「すみません、そこのカラシ取ってもらえます?」

 

私の目の前には、共用のカラシが置いてあった。

 

ぐるりと見渡すと、10人以上が座れるこの卓でカラシはこの一つしかない。

これは「取ってください」で交流を促すため、あえて一つしか置いてないのだ。

絶対そうだ。そうに違いない。

 

でかしたぞ!カラシ!!!!!

 

私は人生で初めてカラシに感謝した。

 

それを機に女性たちと楽しく会話をしていると、アラフィフおじさんは諦めたのか、そそくさと退店していった。(すまん)

 

おじさんに続きマッチング失敗カップル2組も去り、後には続々とニューカマーが座っていく。卓はすぐに12人の客でパンパンになった。

 

すると場は一転。

飛び交う関西弁。関西弁。関西弁。

 

私「関西の方ですか?」

 

横に座ったジョンレノンみたいなメガネをかけた男に話しかけると、彼はバカでかい声で「大阪っす!」と答えた。

 

ニューカマー女「え、待って大阪?うちも!」

 

レノン「ほんまですか?大阪のどこですか?」

 

そんな感じで、なぜかこの卓は12人中8人が関西人という、おでんめっちゃ好っきゃねんメンツが揃った。

 

私「いつ東京きたんですか?」

 

レノン「先週!高校で教師やっててんけど、色々あって辞めて東京きて、会社員になってん」

 

友人「生徒に手出したんですか?笑」

 

レノン「いやいや、ちゃうよ!笑 でも俺の同僚は、ほんまに盗撮で捕まってクビになってたわ!」

 

前回に引き続き、なぜ私は東京おでんラブストーリーに来ると犯罪の話を聞かされるのだろうか。

日本の未来がウォウウォウすぎて心配です。

 

そうして関西人たちと1時間そこそこ飲んだが、金曜日の店内はあまりにもうるさく疲れてしまい、私たちは東京おでんクリミナルストーリーを後にした。

 

まだ帰るには早い時間だったので、なんかお茶漬けとか食べたいよねと言いながらコリドーで店を探し歩く。

 

お姉さんたち、どこ行くんですか?」

「一緒に飲みません?」

「もう食べてきちゃった感じですか?」

 

おおおおおおお

30過ぎてもこんなに声をかけられるのか。

 

最初こそ感動していたが、人数が増えるにつれ、どうやら彼らはビジュアルで選んでいるというより「誰でもいいから女を連れて行かなければ」という使命感に駆られて動く、悲しきモンスターであることが分かった。

 

それでも、華金を満喫する元気いっぱいなサラリーマンを眺めていると、日本の未来は意外とイェイイェイなんじゃないかという気がした。

 

「すみません、これから2軒目ですか?」

 

再び声をかけられてちらりと見ると、どことなくエリートっぽいオーラを纏ったスーツの男性二人が立っていた。

 

「はい」

 

「何系の気分ですか?一緒にどうですか?もちろん奢ります!」

 

おや、この人たち、いい感じかもよ?

 

私は友人に目で合図をし、彼らについて行くことにした。

 

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noriko-uwotani.hatenablog.com