1回飲みに行っただけの男と海外旅行に行った話⑤

明洞実弾射撃場

いつか芸人のラジオでその存在を知ってから、ずっと憧れていた。

 

着いてみると、場所は明洞のど真ん中。

 

↑🦀♨️の奇妙な並び

 

ビルの3階にあるらしいが、入口がわからずうろうろしていると、管理人的なおじさんが「shooting? こっちだよ」と声をかけてくれた。

 

エレベーターで3階に上がり、中に入る。

 

 

すぐに女性スタッフが来て、日本語で案内してくれた。

パスポートを提出し(マストらしい)、タブレットで注意事項やメニューの動画を見終わると、コースを選ぶように言われた。

 

メニュー表には、半端ない数の銃の選択肢が並んでいる。

1丁につき10発撃てて、5000円程度~のようだ。

 

うーん…違いがようわからん。

 

大半の人が抱くであろう感想を胸に、「マグナム007」という、3丁で25発撃てるセットを選択した。

 

・S&W 68

・DESERT EAGLE

・BERETTA INOX

 

と銃の名称が書かれていて、ルパン三世が使っている銃と、最後には一発ごとにカチッとやるタイプのリボルバーも撃てるという。

お値段1万2000円也。

 

ここは予約ができないので、行った順番に防音の射撃場に通されるのだが、私の前には3人組の日本人グループがいて、撃ちまくっている様子が窓から見えた。

 

先に射撃を終えた3人のうちの1人が出てきて、防音室のドアが開いた瞬間。

 

まだ中で撃っている人の、凄まじい銃声が店中に響き渡った。

 

「ヒィッッッ!」

 

思わず声が出る。

 

実弾、こんな爆音がするの!?

え、怖い!

怖い怖い怖い!!

 

すぐに残りの2人も出てきて、「はい、じゃああなたの番」と、男性スタッフに防弾チョッキと防音イヤーマフ、防弾メガネを手渡される。

 

イヤーマフのパワーはすごく、装着した瞬間、水中にいるみたいだった。

 

スタッフと一緒に射撃場に入る。

 

的を2つ選ぶよう言われ、人の形を模したものと、ダーツみたいなシンプルな円形を選んだ。

 

スタッフが銃に弾を装填し、手渡してくれる。

 

「2キロくらいあるから、しっかり持って」

 

え、重っ!!!

 

ルパン三世は片手でパンパン撃っているイメージだが、なぜあの細い身体でそんなことができるのだろう。

私なら、海苔子三世までかかっても無理そうだ。

 

そんなことを考えながら、両手でしっかり銃を構え、片目を閉じて的に狙いを定めた。

 

 

引き金を引いた瞬間、

 

「ヒャアッッッ!」

 

後ずさりしそうになるほどの強い反動と、イヤーマフをしてもなお聞こえる爆音に、思わず叫んでしまった。

 

あまりの衝撃で、弾が的に当たったのかどうかさえ分からない。

 

「もう少し上!」

 

「左手の角度はこう」

 

その後、スタッフの指示を受けながら、私はどうにか25発撃ち切った。

 

反動が強すぎて、正直10発くらいで「もういい!やめる!」という気持ちになっていたが、最後のリボルバーは「カチッ」と左手で操作するのがかっこよくて新鮮だった。

リボルバー、おすすめです。

 

30分ほどで射撃を終えると、穴だらけになった的をスタッフが採点してくれた。

 

 

「こっち(人型)は普通。こっち(円形)は高い」

 

片言の日本語でそう言われ、的を持ち帰ってもいいとのことだったので丸めてリュックにしまった。

 

スマホを見ると、ちょうど桜井から「もうすぐ明洞に着く」と連絡が。

 

実弾25発をぶっ放した直後のアドレナリンどばどばの状態で、私は待ち合わせのカンジャンケジャンの店へ歩いて向かった。

 

続く。