マッチグアプリで出会った男に前科があった話⑤
翌日も、その次の日も、私がリョウに送ったLINEは未読のままだった。
会う約束をした日の前日。
未読のままのLINEを眺めてどうしようかと思い、毎日のように一緒にお昼を食べていた仲の良い同僚・アユミ(仮)に聞いてみた。
「明日、待ち合わせ時間も場所も決まってるんだけど、行っても向こうは来ないよね?」
「うん、来ないだろうね…」
アユミは「次いこ次!」と励ましてくれたが、私の気持ちはずっと沈んだままだった。
彼は今どこで、何をしているのだろう。
もし仮に、本当に逮捕されているのだとしたら、今度は何が原因なのだろう。
本当に刑務所に入ってたの?
イギリスは嘘だったの?
その日の夜、彼が私に向けて書いた4000字のラブレターを読み返した。
あの人が、そんなことをするだろうか。
どうしてもその気持ちが拭えなかった。
翌日。
待ち合わせ場所に向かうことをやめた私は、あらためてリョウの過去を調査した。
漢字で、ローマ字で、カタカナで、いろんなキーワードを足して、あらゆる媒体を調べた。
まるで取り憑かれているみたいだった。
同僚には「彼のことが好きだったんだね」と言われたが、私を突き動かしているものは恋愛感情というより、生まれ持った好奇心と、彼が私に寄せた重たい手紙によるものだった。
真実を知りたい。
知ったところで、どのみち前科のある人と付き合うことなどできないが、それでも知りたかった。
ネットストーカーのように、様々なキーワードで検索をしていたとき。
私はついに、新情報を手にした。
リョウのTwitterのアカウントだ。
アイコンが彼のLINEのそれと同じで、確実に本人のものだったが、かなり前に更新が止まっていた。
スクロールして、タイムラインをゆっくり遡っていく。
出てこい。
出てこい。
あの記事の内容が嘘だと、証明してくれ。
あなたが悪人じゃないと、証明してくれ。
もう彼との未来などないというのに、私はこの期に及んで、信じようとしていた。
自分のことを好きになってくれた人を、悪く思いたくなかった。
数年分遡ったところで、違う真実が覗いた。
<かねてよりお付き合いしていた◯◯さんと、この度、結婚しました!>
え…?
投稿をタップすると、近しい友人のものと思しき祝福コメントが殺到していて、その投稿が冗談の類ではないことを示していた。
マッチングアプリのプロフィールのステータス、「未婚」だったよな?
え…?
どういうこと?
あれも嘘…?
あの傍聴ブログに書かれていた当時の婚約者と、そのまま結婚したってこと?
ってことは、執行猶予がついたってこと…?
どこまでが本当で、どこまでが嘘なの??????
私はまた、パニックを起こしそうになった。
続く。